あなたの大事な人を奪ったから、殺されてもしょうがない
フィクションです。
刑務所から出所した。
10年間というかなり長い期間だったけどまさか出られるとは思わなかった。
両親は面談の回数を重ねるごとに衰弱しているのがわかった。
被害者の示談金、慰謝料を返すのに精神をすり減らしてしまって働いたお金もほとんどもっていかれて生活するのにギリギリだ。
自分のせいで。
父は働き過ぎで死んだ。
幸い生命保険に入っていたおかげでほとんどの支払いは返すことができたらしい。
バイトが決まって働き始めてなんとか普通の生活ができてきた。
明日は休みなのでコンビニで発泡酒を買い、飲みながら帰っていた。
家に入ろうとドアを開けた時。
声も出せないくらいのえぐられる痛みと熱さが右の腹から溢れる。
立っていられず、玄関に倒れてしまう。
倒れた時の顔や肩の痛みよりも右の腹が熱い。
手で覆うと、何かが濡れている。
血だった。
叫ぶに叫べない。
玄関を見ると人が立っていた。
どこかで見た記憶があるけど思い出せない。
「ドアが開くのみたから入っちゃった。あなたも昔したことあるからわかるでしょう?」
ああ、あの子の親だ。
腹部が痛すぎて顔をしかめながら女性を見る。
「どう?刺された気持ちは。あの子はこれを何回もあなたにされたんだから。あなたもしたんだからされてもいいでしょう?もう少し相手してよね」
女性が近づいてくる。
腹が痛すぎて動けない。
「あなたがいない間に法律が変えられたんだけど知らないでしょうね。身内の人が殺された時に政府に申請したら家族だけが復讐できる権利が施行されたの。」
女性が泣きながら近づいてくる。
最後にフィクションです。
犯罪者視点から書いたのですが、法律の施行はないと思いますが人を物理的に殺すということは殺されても文句は言えないと思います。
家族にも経済的に負担がかかることもあるし。
そういう犯罪者がのちに起こるかもしれない恐怖を表現したかったです。
犯罪はよくない!笑